福井市で水道・ガス集会開催

平山修久名古屋大学准教授が「災害時のリスク管理」について講演

 

公営企業評議会は4月20~21日、福井市の福井県国際交流会館にて、水道・ガス集会を開催し、28県本部から121人(男性118人、女性3人)が参加した。

 

松崎陽祐公企評副議長と福井市企業局労の霜田結衣執行委員が議長を務めた全体集会は、冒頭、下村英明公企評議長の主催者あいさつ、高橋篤総合組織局長の連帯のあいさつに続き、ガス事業、水道事業をもつ谷澤正博福井市企業管理者があいさつ。その後橋岡克典福井県本部執行委員長が、「今冬福井県は大雪により流通活動等もストップした中、自治体職員は素早い対応で被害を少なくし、高齢者宅に直接水を届けるなどして、住民から歓迎された。PFIやコンセッション方式などの動きがあるが、自治体職員・労働組合として対応をしっかり考え、当局と一緒になって今後の公共サービスについて考える必要がある。本集会がそうした課題を検討する良い機会となるよう、祈念する」とあいさつした。

 

続いて、「災害時のリスク管理」と題して、平山修久名古屋大学減災連携研究センター准教授が基調講演を行った。平山準教授は講演の中で、災害時のリスク管理について、①災害マネジメント、②目標管理型の災害対応、③災害レジリエントと事業継続の観点から説明し、今後公企職場でのBCPや災害対応マニュアルの見直しに活用できる考え方が教示された。災害マネジメントとして、危機管理の目標は、社会的責任を果たし、社会的的信頼を守ること、そのために住民と職員の生命、資産、業務に着目する必要がある、危機管理は「過程」であり、マニュアルを毎年チェックするなど、危機を管理する水準を継続的に向上させることが重要と述べた。また、災害対応として、組織の目標・対応方針を設定し、それらの目標を達成するために、業務、人的・物的リソース、情報を管理する「目標による管理」の視点から災害対応方針・マニュアルを見直す必要があると強調した。目標による管理には、①定期的な対応計画(TO DOリスト)の作成、②測定可能な目標の設定、③定期的な対応業務のチェック・改善、④権限委譲、⑤状況認識の統一が求められると述べた。さらにアメリカの災害対応の例を示し、すべての自治体に共通なフォーマットで災害対応計画が立てられ、5W1Hが明確であること、すべてのレベルのトップは2人体制で12時間交代をして対策を継続させる体制を構築していることなどを紹介した。また、防災、減災に加えて縮災としてレジリエンス(回復力)が重要であり、ひと、もの、情報、組織、お金、ネットワークなど明確なビジョンとそれを実現するための技術・手法を組み合わせながら、「企業文化」をつくり上げることが重要であること、水道事業のミッションは、市民や社会との信頼関係を構築し、安全な水を安定供給する事業活動を通じて市民生活や社会経済活動を支えることである、という観点から災害対応計画を構築してほしい、と述べた。講演後、毎年行っている防災訓練に講演で得た考え方を取り入れたいが、まず一番先に行ったらよいことは何か、という参加者からの質問に対し、平山準教授は、さまざまな部局・他の業種を交えた議論を進めて机上演習をすることが重要、と答えた。

 

続いて石川局長が基調提起を行い、「地方公営企業は『経済性を発揮しつつ公共の福祉を増進すること』を目的に運営されているため、市民や住民ヘ安心・安全・安定を前提に事業を進めることが重要であり、今後、経営計画を確認し、独自経営を基本として、さまざまな自治体間連携を追求していく必要がある。けっして利潤追求の民間企業に丸投げすることを許してはいけない。私たちが地域のたに公営で事業を継続してきた意味をしっかり事業管理者に再認識させる必要がある。そのためにも2018現業公企統一闘争を活用し、必要な人員の確保など取り組みを強めてほしい」と訴えた。

 

その後、齋藤水道部会長および廣田ガス・県公企部会長が各部会の活動報告を行った。

 

最後に松崎集会議長が、基調講演で教示された災害に対するリスク管理の考え方を職場に帰って活かしてほしい、とまとめて全体集会を終えた。

 

2日目は第1分科会(水道)と第2分科会(ガス)に分かれて各分野での議論を進めた。第1分科会は、改訂作業中である「住民のための水道政策」の改訂のポイントを齋藤部会長が紹介し、参加者からの意見を求め、その後、グループ討論を行い、水道職場の課題とそれに対する取り組みを共有化した。第2分科会は、福井市のガス工場とガバナを見学し、ガス事業組合員との意見交換を行った。