自治労文芸1988年入選作『渇水』の全国上映始まる

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自治労文芸1988年入選作『渇水』の全国上映始まる

2023/06/08

1988年「自治労文芸」入選作を原作とした映画「渇水」の上映が6月2日から始まった。作者は元自治労組合員の河林満さん(故人)。
主人公は市役所水道局に勤務する職員。水道料金滞納者の「停水執行」に従事し、苦悩する姿を描いている。
河林さんは東京・立川市役所に勤務し、職業作家に転じた。立川市中央図書館では、映画化を記念し河林さんを偲ぶ展示会が開かれている(6月18日まで)。

1988年「自治労文芸」の入選作を原作とした映画「渇水」の上映が6月2日から始まった。作者は元自治労組合員の河林満さん(故人)。映画の感想を、自治労文芸会議代表幹事・佐藤環樹さん(北海道本部)が寄稿した。

「渇水」のコンセプトは人間の理解である
自治労文芸会議代表幹事 佐藤環樹
 
自治労が生みの親である作品「渇水」は、1988年に自治労文芸賞を受賞した「ある執行」が原作で、「渇水」はその進化形だ。35年の時を経て、自治労組合員であった河林満さんの作品が世に出た背景は、枯渇する世の中への警鐘だ。映画を観て確信した。
 
地球の資源は有限だが、人は便利さを求めて資源を枯渇させていく。人は便利さを求めて、AIという感情が枯渇した機械に仕事を奪われ、自らの首を絞めていく。渇く世の中を憂い、それを「渇水」という作品を通して批判しているのだ。
 
特に貧困家庭をテーマに、社会的困窮や格差問題、育児放棄などといった課題が未解決な現状に、「なにやってんだ!」と天国から河林さんが怒っている。そう私は思う。
生前、河林さんはドイツの政治学者の言葉をよく引用していた。「公務員の仕事とは、人間性の理解に始まり、人間の理解に終わる」。
 
「渇水」のコンセプトは人間の理解だ。もちろん上映中の本映画も、そうであった。
 
「渇水」は文学界新人賞を受賞後、芥川賞候補作となる。しかし壮絶なラストが選考委員に酷評され、芥川賞を逃す。原作を知る人にとっては、賛否両論のラストがどうなるのか興味は尽きない。映画の見どころのひとつだ。作品の完成度は高く、原作を知らない人にももちろん、お勧めする。
 
最後に、生前の河林さんとともに共有した時間は、私の財産だ。「渇水」の映画化を喜ぶとともに、河林さんに心からの謝意を表したい。

在りし日の河林満さん。東京・立川市職労の組合員だった。

映画化を機に復刻された「渇水」角川文庫 748円
立川市中央図書館の展示コーナー。作品の構想を練ったノートや未発表作品の原稿なども展示されている。

映画「渇水」のムビチケプレゼント

全国の映画館で利用できるムビチケを、抽選で10名様にプレゼント。下記応募フォームより、ご応募ください。
締め切りは6月23日(金)です。当選者には購入番号、暗証番号などをメールでご連絡いたします。
*当選者の発表は当選メールの返信をもって代えさせていただきます。上映映画館は公式サイトよりお調べください。

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