《未来を創る》自治労の仲間たち

ホーム > ニュース > 自治労全般 > 機関紙じちろう >

《未来を創る》自治労の仲間たち

2026/01/07

地域での自治の仕事は、未来づくりそのものだ。2025年8月に開いた自治労大会のスローガンは「未来を創る、仲間とともに」。地域の市民サービスの最前線で「未来を創る」仕事に励む4人の仲間の職場を訪れ、それぞれが仕事に懸ける思いを聞いてみた。

 
 

長尾 飛鳥 (ながお・あすか)さん

岐阜・下呂市職  下呂市役所まちづくり推進部デジタル課
1987年下呂市生まれ。2009年入庁。健康課を皮切りに市民サービスの現場を経験。2022年からデジタル課。趣味はサウナ。
「デジタルに触れない時間を大切にしています」
 

『変わるって楽しい』 TRY&LEARN(挑戦と学び)で組織を変えるDXを推進

 下呂市の「CDO(最高デジタル責任者)補佐官」という肩書です。でも、エンジニアではなく事務職です。現在、総務省やデジタル庁からもDXに関連して委嘱を受けています。
 入庁1年目から「組織を変えたい」という思いを持っていました。
 前例踏襲、失敗を恐れチャレンジしない風土。DXの推進はそれを変える力になるかもしれないと思い、手を挙げました。
 今、生成AIを活用して会議のイノベーションに取り組んでいます。市民向けには、マイナンバーカードを活用したデジタル郵便、GIGAスクール端末を用いた中学生との未来のまちづくりのワークショップ、家庭向け生成AI講座などに取り組んでいます。
 DX推進は、小さく始めて成果を積み重ねることが大事です。成功すれば人間、欲が出ますから、「またやってみよう」となりますよね。誰かがやってくれるではなく、自分で変えようという文化を創りたいと思っています。国の補助金目あてで飛びついて、施策は民間に丸投げすると、上手く行きません。
 組合もデジタルを活用して運動を変えることが必要です。例えば『Slido』というサービスは、匿名で質問などをスマートフォンから投稿できます。今は質問の出ないセミナーが、これで活性化すると思いますね。
 

菊地 千尋 (きくち・ちひろ)さん

福島・大熊町職労 大熊町役場復興事業課都市計画係 建築技師

1993年郡山市生まれ。2022年入庁。趣味は建築家・藤森照信の設計した建築物を見る旅行。

「ラコリーナ、モザイクタイルミュージアム。素敵でした」

『公共』の力を感じる 「一から」のまちづくりは大熊町ならではのやりがい

 3.11のときは高校2年生でした。幸い、家族は無事でした。
 民間の工務店に勤めていたころの現場が隣の富岡町にありました。車で向かうときに通る大熊町は、からっと晴れ、夏はひまわり、秋は紅葉がきれいでした。職員募集を知り、こんな穏やかなところに住んで働くのもいいなと、応募しました。
 2019年に原発事故の避難指示が一部解除され、住民帰還が始まりました。事故前の住民数は1万1,500人くらいでしたが、今の住民数は1,000人程度です。
 ここでは、「一から」のまちづくりが行われています。解体前の家屋が目立ったJR大野駅周辺は次第に整備され、商業施設も完成し、人が行き交うようになりました。多くの方の協力があって復興が進んでいます。そこに、とてもやりがいを感じています。
 校舎を建てたとき、そこで学ぶことになる子どもたちが見学に来ました。そうしたら施工業者さんたちが「自分たちの建てる施設を、使う人が見に来るなんてないことだ」と涙ぐんでいるんです。印象的でした。
 子どもたちも、自分の学校が建つところを見るなんてなかなか経験できないことです。モノ作りってすごいなと思いますし、これも『公共』だからこそなんだと思います。
 

滝沢 千絵(たきざわ・ちえ) さん

三重・津市水道労組 津市上下水道事業局下水道工務課 土木技師

1993年津市生まれ。2015年入庁。趣味は学生時代から続けているチアリーディング。

「推しキャラはシナモロールです」

 

インフラの強さは自治体の信頼の源 土木技術で地域の未来を創る

 大学でダムや用水路などの治水について学び、土木技術が住民生活を守っていることを知りました。生まれ育った津市の、災害に強い街づくりに貢献したいと思い、市役所に入りました。
 インフラ事業は、全国的には老朽化対策などの維持管理にシフトしていますが、津市は下水道の普及率が低く、新設を進めています。工事の説明で地域に出向くと、「下水道繋がるのを待っていたよ」と言ってもらえて、私たちの仕事が住民生活を支えていることを実感します。また、工事が完成する度に、下水道普及率として成果が見えるので、やりがいがあります。自分が設置したマンホールを見つけるとつい家族や友達に自慢しちゃいますね。
 土木技師といっても大半はデスクワークなので、女性に向かない仕事とは思いません。入職した頃は安全靴などの女性用サイズがなかったり、女子更衣室に宿泊用ベッドがなかったりしましたが、女性の声を反映して環境が整ってきました。ただ、現場での受動喫煙の問題や、女性用トイレがないといった課題は今もあります。女性が安心して長く働ける環境にしていきたいです。
 インフラの強さは自治体の信頼の源です。気づかれにくい努力も多いですが、地域の未来を創る仕事であることに誇りを持っています。
 

水野 正樹(みずの・まさき)  さん

北海道・本別町職 本別町立勇足へき地保育所 保育士
1984年浦幌町生まれ。2014年入職。現在、自治労社会福祉評議会の全国幹事を担っている。趣味は料理。
「休みの日は家族にチャーハンを作ります」

子どもは未来そのもの 成長と笑顔を守るため現場の課題を発信しよう

 私は一人っ子ですが、年の離れたいとこがいます。幼いいとこと遊んでいた時に、これを仕事にできたらずっと働き続けられるんじゃないかなと思い、保育士になりました。子どもって本当に純粋ですよね。他愛もないことでニコニコしてくれて、子どもと接しているとこちらも自然と元気になります。それがこの仕事の一番の魅力だと思います。
 男性保育士はまだ少ないですが、保育の現場では力仕事も多いので、そこは私の強みだと思って率先してやります。外遊びも体力がいるのでたくさん体を動かして遊んでいます。保護者からも喜ばれています。
 現在勤務しているのは「へき地保育所」で、14人の子どもを複式クラスで保育しています。私は4・5歳クラスを1人で担当し、ほかに職員は2・3歳クラス担任1人と所長だけです。配置基準は満たしていますが、職員3人だけで災害時などに対応できるのか、正直不安です。昨年、配置基準の見直しがありましたが、基準が実態に追いついただけ。まだ不十分というのが現場の感覚です。
 全国の保育職場のなかまの皆さんには、自治労の集会などに気軽に参加していただき、現場にしかわからないことをどんどん発信してほしいと思っています。それを取り組みのヒントにして、一緒に改善していきたいです。

(機関紙じちろう2026年1月15日号より転載)

関連記事

  • 立憲民主党 参議院議員 岸まきこ
  • 参議院議員 えさきたかし
  • 自治労共済生協
  • 株式会社 自治労サービス
  • ろうきん

ページトップへ