今年は「おせち料理」を極める〈part1〉おせちにまつわるet cetera

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今年は「おせち料理」を極める〈part1〉おせちにまつわるet cetera

2026/01/07

多くの人が、毎年「何気に」食べている「おせち」。あなたは「自分で作る」派?それとも「買う」派? 奥深い「食のワンダーランド」を旅してみよう。
 

おせちにまつわるet cetera

 
 全国各地から専従役員が集う自治労本部。きっと多彩なおせちの品目のことが聞けるに違いない。そう思って取材を始めるや、期待は裏切られた。
 

重箱の中の「おせち」は画一的? “相方”の雑煮は地方色豊か

 
 「だてまき、昆布巻、かまぼこ、栗きんとん、数の子、田作り、紅白なます。そんな感じ」と誰もが言う。重箱の中の「おせち」は意外と標準化されているようだ。
 地方色を感じさせるものとしては、富山ならこぶ締め、大分南部は「クジャク」というゆで卵を魚のすり身で包んで揚げたものが加わるという。地方色は控え目のようだ。
 他方、「お雑煮」は地方色豊かだ。新潟の「のっぺい汁」は、大根、人参、蓮根、里芋など根菜類、鶏肉または鮭、こんにゃく、干し椎茸など具だくさん。山形の庄内地方は、もち、こんにゃく、ネギ、芋がら、岩海苔が入り、質朴な風情が漂う。長崎は、アゴ(トビウオ)出汁でブリや鯛が入る豪華版だ。
 興味意味深いのは三重県。一般に東日本は角餅、西日本は丸餅と言われ、三重県内にはその境界線が走る。だから県内でも地域によって入る餅が異なる。汁も一般的な澄まし汁と近畿圏の味噌味とが混在する。
 

おせち料理そのものよりも「食べ方」のスタイルが面白い

 
 面白いのは、「食べ方」の地域性。北海道では、「おせち」を大みそかに食べるという。年越しそばは食べないのか?と言えば、満腹にもかかわらず、食べないわけにはいかない。
 前述の三重県の中部では、正月に牛肉を食べる。さすがブランド牛の本場。栃木県では、なぜか水ようかんが「おせち」に加わる。
 
 
コラム:おせちが語る日本の暮らし
食文化研究家 清 絢(きよし・あや)さん


大阪府生まれ。専門分野は食文化史、行事食、郷土食。一般社団法人和食文化国民会議幹事。農林水産省、文化庁、観光庁などの食文化関連事業の委員を務める。近著に『日本を味わう366日の旬のもの図鑑』がある。
写真提供:本人
 
 
 お正月の朝、重箱のふたを開けると、黒豆や数の子、田作りなどが静かに並んでいます。どれも華やかではありませんが、「まめに過ごせますように」「子宝に恵まれますように」と、家族の無病息災や子孫繁栄を願う気持ちがそっと込められています。日本のおせちは、豪華なごちそうというより、暮らしを守ってきた祈りの形が始まりといってよいでしょう。
 そのルーツをたどると、古来、季節の節目に神さまに供えられた「御節供(おせちく)」に行き着きます。日本では節日に、旬の野菜や果物、さまざまな自然の恵みを神さまに供え、日々の安寧を祈ってきました。やがて一年の最も重要な節目であるお正月の料理を特に指して、“おせち”と呼ぶようになりました。
 地域のおせちにも、その土地の暮らしが映ります。新潟の「塩引き鮭」、北陸の「かぶら寿し」、関西の「にらみ鯛」、東京の「コハダの粟づけ」、九州の「がめ煮」など、海や畑の恵みがそのまま正月の味になりました。同じ“おせち”と呼んでも、地域によって料理や味つけが異なるのは、土地の暮らしの歴史がそこに宿っているからです。
 暮らし方が多様になった今では、従来の重詰めおせちだけでなく、洋風おせちや冷凍おせちなども選ばれるようになりました。それでも、年の始めに家族と食卓を囲み、静かに手を合わせる習慣は変わりません。
 どんな形に姿を変えても、おせちが届けているのは、家族の無事を願う変わらない気持ちなのかもしれません。

(機関紙じちろう2026年1月15日号より転載)

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