労働組合の取り組みで熱中症を生み出す職場環境の是正を

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労働組合の取り組みで熱中症を生み出す職場環境の是正を

2025/11/28

講演する(独)労働政策研究・研修機構リサーチアソシエイトの松上隆明さん

 

現業評議会は11月22日に「2026年度現業セミナー」を開催し、対面とウェブ合わせて270人(対面67人、ウェブ203人)が参加した。今回のセミナーは、熱中症対策が義務化されたことを踏まえ、熱中症の早期発見と予防対策、労働安全衛生の意識向上、労働災害の未然防止など、さまざまな取り組みに繋げていくことを目的に開催した。

 セミナーでは、(独)労働政策研究・研修機構リサーチアソシエイトの松上隆明さんが、「労働安全衛生の基本的な考え方」と題し講演した。
 松上さんは、「憲法をはじめ、労働基準法や労働組合法は『最低限』だけを規定している。勤務労働条件を向上させるのは労使交渉であり、労働組合の社会的な責務だ」と訴えた。そして、「『給与構造改革』などにより、賃金水準の低下や地域間格差が拡大している。とりわけ、技能労務職員の給与水準は低く抑えられたままに置かれている。失った物を取り戻すためにも労働運動に取り組んで欲しい」と訴えた。
 熱中症対策については、「最近の気候変動のため熱中症による死亡者が急増している。2025年6月に熱中症対策が義務化された。熱中症の危険性のある職場や、熱中症の疑いがある場合の対処を決め周知・実行することが使用者には求められている。労働組合は、熱中症を生み出すような職場環境そのものの是正について取り組まなければならない」と述べた。
 

給食調理の知識と技術継承のため新規採用を再開

 
単組報告をする藤本佐緒利書記長
 単組報告では、「新規採用再開までの取り組みと熱中症対策について」をテーマに大阪府本部・大阪市学校給食調理員労働組合の藤本佐緒利書記長が取り組みの報告を行った。
 藤本さんは、採用再開を勝ち取った主なポイントとして「退職不補充で調理員の年齢構成が高齢化し、50歳代台が90%を占める状況となった。公務災害も増加傾向にあったことから、高齢層職場の働き方改革を行うよう当局交渉を行った。当局も職員の高齢化や公務災害の増加を踏まえると定数配置を見直す必要性について認識を示すようになった」と述べた。
 さらに、2026年4月から職員採用を勝ち取った経過について報告。「民間委託校で給食を提供しているが、問題が発生すれば直営の調理員がサポートしている。直営での体制が維持出来なくなった状況について当局と交渉を進めてきた。そうした中、当局からは、学校給食を運営していく知識や技術の継承と民間委託業務を指導していく知識を確保するためにも、新規採用を再開する方向で検討を開始するとの回答を引き出した」と述べた。
 加えて、熱中症対策として空調設備の設置にむけた取り組み経過を報告した。

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