2021年度 地方財政セミナー

あいさつをする鬼木まこと書記長

 

 

自治労は2月2日、地方財政の基礎的理解を深めることを目的に、2021年度地方財政セミナーをウェブ方式で行った。

 

 

冒頭、本部を代表して鬼木まこと書記長があいさつ。「地方自治の確立や自治体労働者の賃金・労働条件の改善はもちろん、地域社会を支える意味でも地方財政の確立は重要な課題だ。2021春闘では『公共サービスにもっと投資を!』キャンペーンを呼びかけると同時に、今後厳しさが予想される地方財政を口実とした民間委託や人件費削減を行わせないよう、今一度、地方財政を分析するという基本に立ち返ることを提起している。コロナ禍の下、『自治体財政が危ない』というショック・ドクトリン(危機便乗型合理化策)に惑わされず、今回のセミナーを現場の交渉に役立ててほしい」と訴えた。

 

 

最初に、「2021年度地方財政対策の概要」について総務省自治財政局財政課の山本周財政企画官から講演を受けた。2021年度の地方財政対策のポイントについて、各自治体の最大の注目点である一般財源総額、とりわけ地方交付税総額について、一般財源総額は水準超経費を除く交付団体ベースでは前年度を上回る額、地方交付税も前年度を上回る額が確保されたことについて説明がなされた。また、コロナ禍の下での保健所の体制強化について、厚生労働省と連携した実態調査結果に基づく恒常的な人員体制の強化のための増員の措置について言及。さらに会計年度任用職員制度の平年度化に伴う期末手当の支給月数増に対応するための増額についても説明した。

 

 

続いて、「財政分析のススメ~ショック・ドクトリン(危機便乗型合理化策)に惑わされないために」と題し、地方自治総合研究所の飛田博史研究員より講演を受けた。その中で、財政を知るべき理由として、①当局とのたたかいのツール、②組合側の行財政運営のチェック、③自治研活動の一テーマ、の3点に言及。財政分析なき交渉で後手に回り、「コロナ禍で財政が厳しい」などの当局の説明を鵜呑みにするのではなく、組合側として独自に財政分析を行い、行財政運営の健全性を見極めることの重要性を指摘した。また、自治研活動のテーマとすることで、住民との情報共有をはかり、住民の理解・信頼を得た上での交渉につなげる必要性などを訴えた。その上で、財政分析のための4つの知識として、①地方財政の仕組みと現状、②地方交付税を知らないと損をする、③財政指標を知る、④国の動向をチェック、について説明した。また、栃木県本部大田原市職員組合の金丸直美委員長から、独自賃金カット反対のたたかいの経過と現状について報告があった。

 

 

最後に、「政府予算と自治体財政について」地方自治総合研究所の其田茂樹研究員が講演を行い、第3次補正予算と新年度予算の「15ヵ月予算」についてさまざまな視点で問題点を指摘。「15ヵ月予算」自体について一定の評価をしつつも、「この方法を毎年繰り返すことによって対策の効果が低くなると懸念している。そもそも対策自体が時期も含めて的を射たものなのか」と疑問を投げかけた。また、会計年度任用職員に関わる予算措置について、「組合側としても処遇改善につながっているか、しっかりとチェックする必要がある」などと指摘した。