2024/07/01
6月17日、自治労は「地方の実態と自主性を尊重した給与制度を求める署名」を総務省に提出。2人の地方代表者も参加し、現場の声を訴えた。19日には、公務員連絡会が人事院に対し「2024年人事院勧告に関わる要求書」を提出(詳細はこちら)。夏の人事院勧告期の闘争が本格的にスタートした。
自治労は6月17日、地方の実態と自主性を尊重した給与制度を求めて署名提出・要請行動を行った。4月から約2カ月かけて集めた署名は56万1403筆に達し、総務省に提出した。
総務省からは小池信之公務員部長や細田大造公務員課長が、自治労からは伊藤功書記長や林鉄兵総合労働局長、亀瀧真人労働条件局長、地方代表として北海道本部の山木紀彦書記長、兵庫県本部の戎剛副委員長が出席した。
はじめに伊藤書記長より、人事院が検討している「社会の変化に応じた給与制度の整備」の具体化にあたって、①国の制度変更に準じた扱いを自治体に求めないこと、②給与制度に関して、地方の実態と自主性を尊重した柔軟な対応を可能とすること、③国基準を上回る支給をしたことによる特別交付税の減額措置の撤廃を要請。引き続き、地方代表者の山木書記長、戎副委員長がそれぞれの地域の実情を訴えた(写真下囲み)。
小池公務員部長は、「本日いただいた56万の署名を重く受け止める。人事院と連携しながら給与制度のアップデートの検討を進めたい。採用に関する状況や公務員志望者の減少など、様々な懸案があることを認識している。検討会で先生方や自治体の意見を聞きながら議論を進めている。引き続き、自治労との意見交換も重ねていきたい」と述べた。
最後に伊藤書記長が、地方公務員の給与は自治体の条例で定めるべきものであり、労使交渉の自主的・主体的判断による決定が尊重されるべきと強調し、地方の判断を尊重する仕組みの確立を強く求めた。
総務省よ地方の声を聞け
【戎剛(えびすつよし)兵庫県本部副委員長】兵庫県では、地域手当に大きな格差があり、手当の高い自治体への人材の流出が起きている。地域手当の大くくり化にあたっては、できる限り格差を解消する方向での検討を要請する。
【山木紀彦北海道本部書記長】北海道は積雪寒冷地であり、生活する上で寒冷地手当は欠かせない手当となっている。そうした実態があるにもかかわらず、再任用職員や会計年度任用職員には支給されていない。支給対象とするよう求めたい。
(機関紙じちろう2024年7月1日号より転載)