2025/05/16
ヤマ場の交渉で市長と向き合う安来市職労執行部(2025年3月13日)。ヤマ場集会の参加者人数分のスクールゾーン横断旗を交通安全協会に寄贈する社会貢献活動も行っている
春闘を起点に《人員確保闘争》をたたかおう
2025春闘の柱の1つは職場の人員確保。民間春闘では高率の賃上げ回答が相次ぐが、自治労のアンケートでは「人員確保」が組合員の最大の願いだ。ではどのような運動をすれば、成果が得られるのだろうか。島根県の安来市職労の取り組みをヒントに、考えてみたい。(取材日:3月31日)
春闘と6月の人員確保闘争、「2段階の構え」で要求を実現
取り組みは春闘期と6月期の2段階です。2月に要求書を提出し、春闘がスタートします。2月末に回答を受け、3月に総務部長、副市長、ヤマ場には市長と、交渉を積み重ねます。
春闘期に確認するのは、「早期募集(6月試験)の職種」と、「最終的な募集職種・人数は、6月の人員確保闘争で労使合意する」という方向性です。
6月の人員確保・ジェンダー平等推進闘争では、春闘期の確認に沿って、募集職種ごとの採用人数の回答を引き出します。ここでも、総務部長、副市長、市長と、交渉を積み重ねます。
春闘では6月の早期募集の人員を要求。6月は9月後期募集での追加募集をおさえて人員確保闘争の決着、という流れです。
「職場の声」こそ交渉の力 思いを伝え当局を動かす
2024年度の6月期闘争では、春闘段階で早期募集を確認していた「一般事務」「建築技師」「消防士」に加えて、「保育士・幼稚園教諭」「保健師」も募集職種に追加することができました。交渉では保育士等の採用要求に対して市長から、「皆さんの思いも伝わった。1名程度の採用としたい」との発言がありました。
また募集職種ごとの人数もこの交渉で確認し、一般事務と建築技師は9月の後期募集で追加募集の回答を得ています。
大事にしているのは、細かい人数よりも、職場オルグで出た現場の「声」を交渉で当局にぶつけることです。職場オルグを行い、職場ごと、職種ごとに必要な人員が足りているか、組合員の声を集め、人員増を要求します。
「労働組合離れ」が言われますが、組合員にとってわかりやすく、プラスになる活動をすることが大切だと思っています。

(機関紙じちろう2025年5月15日号より転載)