2020年度PSI-JC男女平等セミナーを開催 「コロナ危機が可視化したケアとジェンダーと公的労働~生を包摂する社会へ」と「男性の育児参画~笑っている父親が社会を変える」をテーマに議論

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2020年度PSI-JC男女平等セミナーを開催 「コロナ危機が可視化したケアとジェンダーと公的労働~生を包摂する社会へ」と「男性の育児参画~笑っている父親が社会を変える」をテーマに議論

2020/12/10

オンラインで講演する落合恵美子教授(正面スクリーン)

12月5日、国際公務労連加盟組合日本協議会(PSI-JC)は2020年度男女平等セミナーをオンラインにより開催した。全体で153人(女性72人・男性81人/ユース73人)、自治労からは青木真理子副委員長をはじめ、35県本部・社保労連から105人(女性54人・男性51人/ユース45人)が参加した。


今回のセミナーでは、「コロナ危機が可視化したケアとジェンダーと公的労働~生を包摂する社会へ」と「男性の育児参画~笑っている父親が社会を変える」をテーマに設定。

冒頭、PSI-JCの青木真理子女性委員会議長は、「新型コロナウイルスの感染拡大にともない、初めてオンラインで開催する。女性たちから、『ステイホーム』になって育児や介護の負担が大きいとの声が上がった。非正規労働者の解雇も問題になっている。京都大学大学院の落合恵美子教授からご講演をいただき、コロナ禍において女性にどのような影響があったのか、一緒に考えていきたい。また、男性の育児参画や家事分担が増えることで、女性の出産後の継続就業割合や第二子の出産割合が増えることが統計上示されている。男性の育児参画促進についてファザーリング・ジャパンの安藤哲也代表理事から提案していただき、労働組合としての取り組みに繋げていきたい」とあいさつし、PSIやPSI-JCの組織紹介もした。


落合教授は、「在宅勤務により、ケア労働(家事・育児・介護など)は可視化され労働としての認識が進んだ。また、なかば強制的なワークライフバランスの実験にもなり、家族生活を幸せにする効果があることも分かった。在宅勤務は、コロナによりもたらされた新しい働き方ともいえるが、世界に比べても日本では思いのほか定着していない。パンデミック下で持続可能な社会を実現するためには、ケア労働の働きに見合う報酬が必要。命や生活を最優先する社会を構想し、『ライフ』のための『経済』としていかなければならない。生を包摂する社会を作るカギは、ケアを含めた経済モデルをつくり、すべての政策をジェンダーの視点で見直し評価し、公的労働の経済的な価値を正当に評価し待遇改善につなげること」と講演した。


参加者からは、「群馬県の調査により、雇用がきられるなど女性の中でも特に妊婦に対する不平等が見られた」「コロナ禍においては特に職場での関係性が重要。労働組合が、不安に思っていることを言い合い、お互いにフォローし合えるような職場の雰囲気を率先してつくっていく努力をしている」などの報告があった。

最後に落合先生は、「公的労働を担うみなさんにとって、今がチャンス。公的な労働がどれほど重要か、みんなの身に染みている。それなのに、公的労働の大切さについて、日本ではそれほど声が上がっていない。『保健所が大変な状況なのに人員が削減されている』という報道は若干されているが、当事者からの声が聞こえない。今こそいうべき時ではないか。ぜひ、頑張ってほしい」とセミナー参加者に力強いエールを送った。


安藤代表理事は、「感染拡大によって、里帰り出産ができなくなり、親の援助が受けられず、最後の砦として男性の育児休業の取得が進んだ。在宅勤務を活用し、男性が働きながら育児や家事に参画する良い機会となった。3人の子どもを育てているが、父親である自分が笑顔でいることにより、子どもとの関係だけでなく夫婦関係も強くなる。収入面では、妻の就業継続につながり、家計的なメリットにもなる。職場においては、業務の見直しや風土を変えるチャンスにつながる。また、男性が育児に参画するほど出生率が上がることも統計で示されており、社会の変革につながる」と講演し、イクボスが増えることによる効果についても紹介した。

参加者からは「職場の上司は育休取得を推奨しているが、業務のフォローはしてくれない。職場の業務見直しにつなげるには、どのくらいの期間取得するのが良いか」との質問が出された。

安藤代表理事は、「1週間では本人が残業してこなすだけ。1カ月取得すれば、業務をどうするかを職場内で相談することになり、働き方全体を見直す機会になる。イクボス上司を育成し、長すぎる会議、多すぎるメール、無駄な資料作成、多すぎる決済手続きを無くすことで、職員の時間確保にもつながる」と答えた。


新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともなう在宅勤務が、いかに女性に大きな影響を与えたのか、男性の育児・家事参画が、どれほど社会的に良い影響をもたらすかを考える機会となった。

今回の男女平等セミナーは、限られた時間の中でのオンライン開催で、参加者同士の交流や意見交換の時間を持つことはできなかったが、例年に比べて倍近い参加者を得ることができ、オンラインならではの良さも実感できた。


※PSI-JC
Public Services International Japan Council(国際公務労連加盟組合日本協議会)の略称。

PSI(国際公務労連)はスイス・ジュネーブに本部を置く国際的な公共サービス部門労働者の労働組合の連合組織である。日本からは全日本自治団体労働組合(自治労)、国公関連労働組合連合会(国公連合)、全日本水道労働組合(全水道)、保健医療福祉労働組合協議会(ヘルスケア労協)、全国消防職員協議会(全消協)の5組織が加盟し、PSI-JCを構成している。
すべての人が尊重され尊厳のある世界を実現するため、質の高い公共サービスの提供や公正なグローバル経済の確立、人権などのさまざまな課題に取り組んでいる。

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