岡山済生会総合病院従業員組合組合員1050人が自治労加盟

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岡山済生会総合病院従業員組合組合員1050人が自治労加盟

2024/03/04

JR岡山駅西口にそびえ立つ岡山済生会総合病院。急性期医療を担う473床の地域中核病院。社会福祉法人として総合病院や県庁内診療所等の医療機関をはじめ、老人保健・福祉施設、教育施設などを経営している。

「医療業界の問題点」に労組がメス~不払い残業代19億円 搾取にNOのこぶし~

1月24日、岡山県の公的病院・岡山済生会総合病院の労働組合「岡山済生会総合病院従業員組合(組合員数1050人)」が自治労に加盟した。岡山県内では県職連合に次ぐ組織規模だ。自治労加盟を決断した安積昌吾組合長に、たたかいの経過と医療職場の労働組合の意義を聞いた。
岡山済生会総合病院従業員組合は、結成64年目を迎えるユニオン・ショップ制(雇用された労働者に労働組合加入を義務化する制度)の労働組合で当該病院等に勤務する医師、看護師、コ・メディカル、事務職等の医療労働者が加入している。
これまで、活発な組合活動は行われず、結果として不払残業やハラスメントの常態化、人事・労働条件を含む不透明な病院経営などが大きな問題となっていた。
この問題にメスを入れたのが、医師の安積昌吾組合長だ。自治労の支援のもと、労働組合として病院経営の正常化を強く求めた。職員の3年分の不払い残業代約19億円を取り戻したことをはじめ、労使で連携した病院経営の体質改善(法令遵守)に向け取り組みを行っている。
「医療労働者は専門知識には精通しているが、マネーリテラシーが低く、自分たちが不当な状況に置かれていることに気づいていないことが多い。医療専門学校や医学部では経済や労働者の権利は教えてもらえない。マネーリテラシーや法律を勉強して欲しい」と、安積組合長は言う。

労働条件に無自覚な医療業界の改善を(安積昌吾 組合長 形成外科主任医長)

私が組合長に就任して初めてしたことは「就業規則・給与規程の開示」の要求でした。当病院は、規則・規程の未開示だけでなく、医師の時間外勤務手当支給の40時間上限、就業規則に基づかない賞与額の算出、「名ばかり管理職」となっている看護師長への残業代不払い、男女間賃金格差など現代では考え難い労働条件で運営されていました。今回、これらの是正を勝ち取りました。
このような明らかな労基法違反を許してきた要因は、経営的な問題点に加え、労働組合がありながらもチェック機能がなく、是正を求められなったことにあります。
私たちはこの問題に立ち向かうため、労使闘争まっただ中の労働組合側に立って専門的なサポートを行う社労士や上部団体を求めていました。そして、書記局の強化や専門家に相談できる環境など、労働組合として継続的に活動するために、自治労への加盟を決めました。
医療労働者は「患者様のために」の命題のもと、労働の対価や勤務労働条件には無関心な傾向があります。当病院は、まさにこの「医療業界の問題点」を如実に表しています。
自分たちの労働の対価を求めることは当然の権利であり、労働者側が力をつけなければ搾取構造から脱することはできません。この取り組みを発信することで、全国の医療労働者が自分たちの仕事の対価に意識を向け、医療業界全体の改善につながることを願います。

医療職場の運動の活性化につなげたい(岡山県本部委員長 富田章史)

自治労の知識・交渉力、病院職場の課題への取り組み経験、県本部組織拡大専門員の森本美保子さんの社会保険労務士としての力や県本部のサポートが、自治労加盟につながりました。医療職場における環境整備、人材確保、政策反映の運動の活性化と、県本部・中国地連全体の盛り上げにつながると考えています。

 機関紙じちろう2024年3月1日号より転載

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