公立・公的医療機関で働く医療従事者の約7割が離職を検討。衛医評が調査結果を公表

調査結果を報告する平山春樹・衛生医療局長

 

 自治労本部・衛生医療評議会は3月17日、自治労会館にて「コロナ禍における医療従事者の意識・影響調査結果」について記者発表を行いました。

 

新型コロナウイルス感染症の対応にあたっては、全国の公立・公的医療機関は、感染拡大当初から地域医療を支えるため基幹的な役割を果たしてきました。一方で、コロナ対応の長期化により、医療従事者の労働環境やメンタルヘルスの悪化が懸念されていることから、自治労・衛生医療評議会では昨年11月から1月にかけて医療現場で働く組合員を対象にオンラインでアンケート調査を行い、45都道府県から7,724人の回答がありました。

 

会見に立つ森下総合局長、平山局長、青木副委員長(左から順に)

 

調査では、「現在の職場を辞めたいと思っているか」という問いに対し、「常に思う(12%)」「しばしば思う(21%)」「たまに思う(36%)」と約7割が離職を検討したことがあることがわかりました。辞めたい理由として最も多かったのは「業務が多忙」であり、次いで「業務の責任が重い」「賃金に不満」が続きました。

 

また、医療従事者であることで「差別・偏見を経験したことがある」「自身にうつ的な症状がある」と回答した人はそれぞれ23%に上り、昨年度の調査よりも差別・偏見は7ポイント、うつ的症状は6ポイント増加しました。

 

自由記載欄では「命懸けで勤務しているのに、ボーナス引き下げは、ひどすぎます」「看護師の子どもであるため、うちの子だけ塾がリモートだった」「気分転換が思うようにできず、業務中の緊張感が増した」などの声が寄せられました。

 

会見に参加した北海道の看護師は「医療従事者は、感染しても、させてもいけないという日々を送っている。家族にも登園自粛や、外出の制限などを強いることになり、やりきれない」と長期にわたる生活への影響を訴えました。

 

また、高知の理学療法士は「退院にむけてコロナ患者さんのリハビリを行っている。業務後は30分ほど休まないと車を動かせないほどの疲労感に襲われる。看護師だけでなくたくさんの職種がコロナ対応していることを知ってほしい」と述べ、強い緊張感の中で働いている実態を訴えました。

 

大阪の作業療法士は「コロナでお亡くなりになった方へは、最後にお顔をきれいに拭いて差し上げるなどのエンゼルケアができず火葬場へ送り出すことになる。理想とあまりにかけ離れた現実に医療人として強い無力感を感じてしまう」と現場実態を報告しました。

 

会見に参加した現場報告者

 

最後に、自治労本部の平山春樹・衛生医療局長は「長期化するコロナ対応により、医療従事者の心の健康がこれ以上悪化すると、離職へとつながってしまう。今、現場でがんばっている職員の離職防止には処遇改善が不可欠」と述べるとともに、現在、国が進めている看護職員等の処遇改善の課題を指摘しました。

 

また、「医療現場はもともと人員に余裕がない状態。国には、平時から緊急時に対応可能な人員配置ができるよう予算措置を講じてもらいたい」と地域医療を守るため医療従事者の人員確保の必要性を訴えました。