2025/11/17
左から市立函館病院の長谷川雄司さん、NPO法人病院経営支援機構の合谷貴史さん、医療政策部会リーダーの高橋宏明さん
衛生医療評議会は11月14日、2026年度第2回目となるレベルアップ講座をオンラインで開催し、全国の医療職場を中心に約140人の組合員が参加した。今回のテーマは、公立病院の経営の基礎と実態を“現場の視点から”理解すること。経営環境が一段と厳しさを増す中で、組合として必要な知識を深める重要な機会となった。
冒頭、衛生医療評議会の原尾健作事務局長が「医療を取り巻く情勢」として、物価高騰、人件費の上昇など、公立病院をめぐる経営状況について報告。自治労として人員確保や組織強化、処遇改善に向けた取り組みを進める必要性を改めて強調した。
続いて、北海道本部・市立函館病院の長谷川雄司さんが「事務職から見たお金の流れ」をテーマに講演。病院の年間サイクル、診療報酬とその流れ、返還の事例など、日々の事務の視点だからこそ見える収支構造や課題を具体的に解説した。
その後、NPO法人病院経営支援機構の合谷貴史さんが「公立病院のお金の流れを知ろう」と題し、財務諸表の読み方、損益分岐点、人件費比率、地方公営企業法の仕組み、貸借対照表、自治体繰入の仕組み、経営改善の施策など、公立病院経営の基礎から実務まで幅広く講義。参加者からは「とても嚙み砕いてわかりやすい内容だった」「不採算医療、繰入金の関係性がわかった」「現場の課題と経営がつながった」といった声が多く寄せられた。
今回の講座は、経営状況が悪化する公立病院が増える中、改めて“経営を学ぶ必要性”を共有する場となった。自治労は今後も、医療従事者が安心して働き続けられる職場づくりに向け、政策提起と学習の機会づくりを引き続き進めていく。







