公営ガス三単産労組政策会議を開催

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公営ガス三単産労組政策会議を開催

2019/06/10

今後の地域エネルギ事業について講演する日本ガス協会大久保業務部長

6月7~8日公営企業評議会は、全国ガス、全水道とともに、松江市で標記集会を開催し、全国の公営ガスを担う組合員34人(うち自治労18人)が集まった。


冒頭、下村議長が主催者あいさつとして、公営ガス事業は民間譲渡が各地でなされているが、重要なのは住民・労働者との対話、住民にとって利益になる事業経営計画をもつことであると述べた。次に木下松江市職員ユニオン委員長が地元を代表してあいさつし、松江市ガス事業は、ガス自由化を受けて経営検討(検証)委員会が設置され、民間譲渡を含めた事業経営の議論が始まっている。松江市ガス事業は、競争相手のいない地域のなかで、堅牢な保安体制、適切な料金での良質なサービスの提供などで公営の強みを発揮しており、今後検討委員会の委員として、正常な議論をとおしてこの地域のエネルギーをどうしていくか、を検討していくと訴えた。続いて渡部松江市ガス事業管理者があいさつし、松江市のガス事業経営について、地産地消のガスエネルギーのシステム作りが必要であり、市民にとって何が大事かを第一優先に考えながら、組合、市民の意見を聞きながら進めると述べた。。


その後、大久保幸紀日本ガス協会企画ユニット業務部長が「ガス事業制度・エネルギー政策と国土強靭化・地域エネルギー事業ヘの取り組み」と題して記念講演を行い、①エネルギーシステム改革の現状、②エネルギー環境政策、③国土強靭化について説明し、④今後期待される地域エネルギー事業について提言した。大久保業務部長は、はじめに、エネルギーシステム改革の現状として、小売り自由化後の競争促進に向けた検討課題として①基地利用、②熱量調整、③一括受ガス、④卸取引、⑤託送料金、⑥内管保安・内管工事、⑦保安規制の7つを挙げて説明し、またスイッチング業務の標準化について述べた。さらに、エネルギー環境政策として、第5次エネルギー基本計画のなかで、水素・蓄電等による脱炭素化への挑戦が長期的課題となったことを紹介。COP21におけるパリ協定にも言及し、これを受けたパリ協定長期成長戦略懇談会に対し、現実的な実現可能な計画とスケジュールを示すことを要請したことを述べた。国土強靭化(レジリエンス)については、大阪北部地震など地震、2018年台風21号の事例から、災害時の停電期間におけるスマホ充電やお湯の供給などコージェネレーションが貢献したこと、課題として情報発信の強化が重要となることを述べ、第2次国土強靭化基本計画として、ガス事業者による設備保安や災害対策の推進、導管の耐震化などに言及したガス安全高度化計画、3か年緊急対策、自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業、再生可能エネルギー整備等導入推進事業への補助金、次世代住宅ポイント制度など国の政策について説明した。最後に、今後、人口減少・高齢化、脱酸素化に対応するには、ガス事業単体ではなく、地域エネルギーとして、分散型、地産地消、総合エネルギー化の一環としての事業をめざすべきとし、地方自治体が地域エネルギー事業のキープレイヤーとなり、地産地消として地域経済循環効果をはかることができる事業体をつくること、具体的にはガス事業者も関与して公共施設等に売電する自治体新電力、南富良野町などが実施している木質バイオマスと雪氷により電気と熱を供給する地域エネルギー会社などが挙げられると提言し、日本ガス協会も地方ガス事業の取り組みの強化をはかると述べた。講演に対し自治労から、①、②国を縦断するようなパイプラインの設置の議論の状況、③松江市における地域エネルギー事業のアイデアなどについて質問が出された。


休憩をはさんで、各単産の活動報告を行い、自治労から永野ガス・県公企部会副部会長が、松江市ガス事業の民営化の懸念と反対闘争について報告し、松江市職員ユニオンとして、「市民の財産」である公営ガス事業が、経営主体が市から離れることで市民や地域のために安定した事業継続ができない状況を招き、市民に将来的な不安を与えるとして民営化に断固反対し、公営ガスを市民のエネルギー選択肢として残すことが「市民益」につながることから、公営ガス継続のため総力をあげてたたかう、と強く訴えた。

松江市ガス事業の民営化反対の取り組みを報告する 永野ガス・県公企部会副部会長

講演に対し質問をする西尾松江市職員ユニオンガス支部長

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