米国のベネズエラ侵攻に対する書記長談話(2026年1月5日)

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米国のベネズエラ侵攻に対する書記長談話(2026年1月5日)

2026/01/06

1月5日、自治労は下記の通り談話を発出しましたので掲載します。(最下段よりWordファイルをダウンロードできます)


米国のベネズエラ侵攻に対する書記長談話

 2026年1月3日、米国はベネズエラに対して軍事攻撃を行い、マドゥロ大統領夫妻を拘束し、ニューヨークの拘置所に収監した。同時に米国のトランプ大統領は、ベネズエラが次の政権に移行するまでの間、米国がベネズエラを運営するとし、世界最大の埋蔵量といわれるベネズエラの石油事業をめぐり「我々が非常に強く関与する」と権益確保にも言及した。このことは、国際秩序を根底から揺るがす蛮行である。
 国連憲章第2条4項は、国家による武力行使および武力による威嚇を明確に禁止している。また、他国の国家元首を武力によって拘束・移送する行為は、主権平等の原則、内政不干渉の原則に反するばかりか、国際人道法および国際慣習法にも著しく反する、許しがたい行為である。
 米国は国連安全保障理事会の常任理事国であり、国際平和を維持する特別な責任を負う立場にある。自ら国連憲章を踏みにじるならば、国連の正当性や信頼性は著しく損なわれ、これまで米国自身が否定してきた「力による現状変更」を容認するものである。まさに、国際社会全体に対する重大な背信行為である。
 今回の行為が黙認されれば、一方的な先制攻撃や政権転覆、国家元首や政治指導者の拉致などが正当化され、先の大戦後、国際社会が築こうとしてきた「法の支配」から「力の支配」へと後退してしまう。
 こうした深刻な事態にもかかわらず、高市政権は「ベネズエラにおける民主主義の回復及び情勢の安定化に向けた外交努力を進める」との見解にとどまっている。日本政府が米国との同盟関係を理由に、この問題について明確な批判や国際法遵守の立場を示さないのであれば、それは日本国憲法の平和主義、国際協調主義に真っ向から反するものである。沈黙や曖昧な態度は事実上の追認に等しいと指摘せざるを得ない。日本は、国際法違反には反対するという一貫した姿勢をただちに示すべきである。
 加えて、わが国においてもこの機に乗じて軍備強化、とりわけ核武装を訴える勢力が存在することを見過ごしてはならない。2025年12月18日に報道がなされたとおり、首相官邸関係者が「日本は核武装すべき」と発言したことを考えると、今後も政府内外からこのような暴論が発信されることが予想される。唯一の戦争被爆国に存在する労働組合として、「核と人類は共存できない」ことをあらためて確認するとともに、非核三原則の堅持を揺るがしかねないすべての策動に断固抗議する。
 私たちはあらためて、国連憲章と国際法の厳格な遵守、武力によらない紛争の解決、国家主権と人権の尊重を強く求めていく。とくに、米国政府には軍事侵略の即時停止と国際法に基づく責任ある行動を、日本政府にはいかなる国に対しても国際法違反を許さない主体性ある外交を、国際社会には力ではなく法による秩序の回復を強く訴える。
 私たちは、国際的には国際公務労連(PSI)、国内では平和フォーラムや原水禁などと連帯して、平和と民主主義、人権を守る活動に取り組んでいく。

2026年1月5日
全日本自治団体労働組合
書記長 伊藤 功
 

米国のベネズエラ侵攻に対する書記長談話.docxをダウンロード

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