三重県の職員採用の国籍要件見直しに対する書記長談話(2026年1月6日)

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三重県の職員採用の国籍要件見直しに対する書記長談話(2026年1月6日)

2026/01/06

1月6日、自治労は三重県の職員採用の国籍要件見直しについて、下記の通り談話を発出しましたので掲載します。(最下段よりWordファイルをダウンロードできます)


三重県の職員採用の国籍要件見直しに対する書記長談話

 2025年12月25日、三重県の一見勝之知事は三重県職員採用における国籍条項の見直しを表明し、早ければ来年度から国籍要件を厳格化する方針を示した。近年、国内外において国籍や出自を理由とする差別や排外主義が横行し、ヘイトスピーチが頻発するなど深刻な社会問題となっているが、このような流れに地方自治体の長が迎合することは極めて不適切であり、遺憾である。
 日本国憲法は、基本的人権の尊重を基本原則とし、法の下の平等を定めている。国籍要件のみを理由に公的職務から排除することはこの精神に反するといわざるを得ない。地方公務員の任用については「公権力の行使」や「公の意思形成」に一定制限があるものの、多くの職務は直接関与しないものであるため、多くの自治体では、国籍条項を撤廃または限定的に運用してきた。
 三重県のみならず、わが国には多くの外国籍住民が住み、働き、地域社会の一員として生活している。にもかかわらず、一見知事の表明は、県として取り組みを進めている「三重県多文化共生推進計画」に矛盾し、県職員採用において国籍を理由に門戸を狭め、地域で生活する外国籍住民に対して「あなたは対等な構成員ではない」という排除の姿勢を示すことになりかねない。
 採用要件の見直しに外国人職員による情報流出の危険性を挙げているが、地方公務員法第34条では「職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする」と厳しく守秘義務を定めている。行政の中立性・公正性は、職員の国籍によってではなく、法令遵守等によって担保されるべきものであり、国籍要件を強調することは、あたかも外国籍の職員が公正に職務を遂行できないかのような誤った印象を与え、根拠のない不信や偏見を助長しかねない。一見知事は「排外主義は取りません。排他主義は取りません。外国人に対する差別や中傷は恥ずべきもので許すべきではない」と弁明しているが、そもそも地方自治体は分断を煽る存在ではなく、共に生きる社会を築く先頭に立つべきである。
 県内の伊賀市の稲森稔尚市長は「今回の県の動きは『多文化共生の地域づくり』の歩みを覆すもので、社会に新たな分断と不信感をもたらす」などと県の方針を強く非難し、検討の撤回を求めている。今後、一見知事は県民アンケートを実施し、結果を踏まえ判断すると示しているが、今回の国籍条項見直し表明はただちに撤回すべきである。
 私たちは、あらゆる差別や排外主義を許さず、人権と多様性を重視し、誰もが人間として尊重される共生社会の実現をめざしていく。

2026年1月6日
全日本自治団体労働組合
書記長 伊藤 功
 

三重県の職員採用の国籍要件見直しに対する書記長談話.docxをダウンロード

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