災害の備えのために「現場ができること」を~自治体現場力による質の高い公共サービスを実現する集会を開催~

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災害の備えのために「現場ができること」を~自治体現場力による質の高い公共サービスを実現する集会を開催~

2025/07/29

過去の災害を踏まえ教訓を伝える、水ジャーナリスト・橋本淳司さん

 7月26日に「自治体現場力による質の高い公共サービスを実現する集会」を自治労会館(ウェブ併用)で開催し、対面とウェブあわせて273人が参加した。
 自治体では地域公共サービスを提供するとともに、災害時には「人の暮らしと命」を守るための対応をするが、現場では多くの課題を抱えている。集会では災害対策の課題を中心に、「水ジャーナリスト」であり、武蔵野大学サステナビリティ学科の橋本淳司さんを講師に招き、『現場力が発揮できる防災対策』と題し講演を行った。
 その後の単組報告では、現業評議会から戸沢村職(山形県本部)の災害時における炊き出しなどを行い新規採用につなげた事例や、公営企業評議会から日常の下水道処理施設の状況や八潮市の陥没事故について報告がされ、集会を終了した。

決意を述べる川口現評議長
 講演で橋本さんは、過去の災害事例について「日常の公共サービスを通じて安心した生活ができることを強調したうえで、災害時には制度の谷間を埋める知恵と経験として「現場力」が重要」と述べた。これまでの災害対応の教訓から「分野を超えて考える視点」「日常から現場情報の地図化・共有を進める」「災害時の担当者を決めるだけでなく柔軟に動ける人を育成」の3点をあげ、災害対応においては、複数部署の連携による効果的な対応が可能となり、平時から施設や地域の状況を共有化した上で、現場で判断・対応できることが重要であるとし、事前に対策を講じることが必要と付言した。
 また、災害時に頼りになる人材として、①制度と現場をつなぐ「翻訳者」②非公式ネットワークを動かす「橋渡し役」③専門の枠を越えて動ける「横断人材」④地域に根ざし、住民の顔が見えている、の4点をあげ、普段の業務の中から災害を想定した習慣を持つことが必要と述べ、講演を終了した。講演終了後には参加者と意見交換を行い、議論を深めた。
岩本公企評議長

 その後の単組報告では、現業評議会から学校給食調理員の新規採用の勝ち取った事例として、戸沢村職(山形県本部)の星川和也さんから報告があった。星川さんは、戸沢村の小中学校が一貫校で1校しかなく、少子化が進む中、学校給食の自校式の必要性を述べ、災害時には避難者に炊き出しを実施するなど、直営だからこそ可能な業務を当局に訴え、7年ぶりの新規採用を勝ち取ったことが報告された。
 また、公営企業評議会からは、青森市における下水道施設の現状と課題について、青森市職の坂下岬下水道部会長から報告があった。報告では、処理区域やポンプ場の配置に触れつつ、維持修繕予算の削減による緊急修繕費の不足や、多額の費用を要する大規模修繕において国庫補助に頼らざるを得ず即応が難しいといった、維持管理上の課題が示された。こうした状況に対しては、職員による水位計故障への仮設対応や自動通報装置の交換などの具体例を挙げ、直営であるからこそ職員の創意工夫により柔軟に対応し、安定的な事業運営が図られていることが報告された。
 最後に、現業評議会議長、公営企業評議会議長より2025現業・公企統一闘争への全単組の結集にむけた決意表明を行い、伊藤書記長のまとめと団結がんばろうで会を閉めた。
対面、ウェブ合わせて多くの組合員が参加

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