狭あい路線視察と課題共有を通じて連携強化~2025年度第2回バス部会を長崎で開催~

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狭あい路線視察と課題共有を通じて連携強化~2025年度第2回バス部会を長崎で開催~

2025/08/14

視察した長崎県営バス

 自治労都市公共交通評議会は、6月30日~7月1日、長崎市で第2回バス部会を開催した。部会では、①バス運転者はじめ整備部門の職員不足など今後事業の存続が危うくなる状況にあること②若年層、女性の新規採用の拡大とそのための処遇改善、職場環境整備③特定技能制度の活用の検討など幅広く人員確保に取り組む必要があること、などを中心に報告・協議を行った。

営業所での点呼体制と安全対策を視察

 1日目は長崎県営バスの長崎営業所と狭隘路線などを視察した。まず、長崎営業所において、遠隔地車庫及び宿泊を伴う勤務の点呼について、通信式の画像確認機能付きアルコール検知器による検査を見学。あわせて、毎月20日を「事故ゼロ日」とし、幹部職員及び育成・指導課による早朝点呼立哨(監視)が実施されていること、などの説明があり、職員が一体となって輸送の安全確保に取り組んでいることが強く認識できた。

 また、県交通局長からあいさつと事業の概要や課題等の説明があった。さらに、担当者から、独占禁止法特例法に基づき実施している民営事業者長崎バスとの共同経営の概要について説明を受けた。長崎市内、空港路線など県営バスと民間の長崎バスは長年競争関係にあったが、人口減少や働き方改革等による利用者の減少で将来にわたって地域の路線を維持していくことが困難になるとの共通認識が高まり、競争から協調へと転換し地域公共交通の維持・存続をはかっていくこととし、協議を重ね2022年4月から共同経営をスタートさせた。具体的には、重複路線における運行事業者の一元化、運行便数の適正化、バス待ち時間の平準化などの利便性向上、運行効率化などをはかり、持続可能な地域のバス路線維持に取り組むことで、一定の成果を上げていることが強調された。

遠隔で行う点呼の様子

過酷な道路環境でも使命を果たす現場

 こののち路線視察を行い、共同経営による運行調整の状況に加え、山、海に囲まれ狭くアップダウンが多い長崎市内特有の道路環境下で県営バスが運行する狭隘(狭い道路)の路線を見学し、高い安全意識、技術が求められる中で日々労使が協力しあい公共交通の使命を果たしていることを確認した。

すれ違うのも難しい狭い路線

若年層採用や制度整備をめぐり活発に議論

 2日目は第2回バス部会を開催。会議では、各単組が抱える事業、処遇、職場環境等に関わる課題、人員確保、増収等の取り組みについて報告・協議を行い、意思統一をはかった。とりわけ人員不足問題については、「バス運転者のみならず、安全を下支えする整備部門の職員を募集しても定員に満たない応募にとどまるなど、近い将来事業そのものの存続が危ぶまれる」、「高校新卒者を採用し、採用後にバス運転者の免許や整備士資格の取得とその費用の全額を事業者が負担する制度の確立が必要」、「特定技能制度の対象にバス運転者や整備士も含まれていることを踏まえ、その活用等の検討も必要ではないか」などの意見が出された。

部会で報告する、名古屋交通労組の福島部員

 この後、2026年度政府予算に関わる公共交通関係予算要求事項(第1次要請)について協議を行い、確認した。最後に、福田議長がまとめを行い、魅力ある職場をめざし、引き続き単組間の緊密な情報交換や交流、本部・県本部との連携強化をはかっていくことなどを確認しあい、第2回バス部会を終了した。

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