3歳児の保育士配置基準の調査結果をとりまとめ、厚労省要請を実施

3歳児の保育士配置基準は「20:1」が6割
「15:1」になっていない理由は、保育士の人員不足

 

自治労本部・社会福祉評議会は5月31日、「3歳児の職員配置に関する実態調査結果」をとりまとめ、6月2日、厚生労働省に対し、保育の質の維持・改善、学童保育の国の制度拡充に関する要請を行った。

 

要請には、自治労社会福祉評議会から前原朝子副議長、門﨑正樹事務局長、徳田武史保育部会部会長、川越勝代幹事、近間博之幹事が参加。厚労省からは林俊宏子ども家庭局保育課長、里平倫行子ども家庭局子育て支援課長らが対応した。

 

 

3歳児の職員配置に関する実態調査

自治労・社会福祉評議会は、2021年10月1日を調査基準日として、自治労に加盟している公立保育所が所属する自治体単組を対象に「3歳児の職員配置に関する実態調査」を実施し、38県本部549単組から回答があった。

 

公立保育所の3歳児については、「15:1」の職員配置が地方交付税で措置されていることから、公立保育所の職員配置状況を把握するため実施した。

 

調査結果によると、3歳児の保育士配置基準は、「20:1」が56%、「15:1」が38%であり、いまだ多くの公立保育所で「15:1」の配置がされていないことがわかった。

また、3歳児の配置が「15:1」になっていない理由については、「保育士の人員不足のため」が38%、「子どもの人数が少ないため」が13%、「自治体の財政状況が悪いため」は12%であり、保育士の人員不足が職員配置に大きな影響を与えていることが明らかとなった。

保育現場の課題が浮き彫りになった調査結果

 

6月2日には厚生労働省要請を実施

6月2日に実施した厚労省要請では、要請書の手交後、門﨑局長、保育部会幹事から、保育所に関しては、①コロナ禍における安心・安全な保育の実施、②保育の質の維持・改善、③保育所における食育の充実、④公立保育所等のあり方と施設整備に関する予算の確保、放課後児童クラブ(学童保育)に関しては、⑤学童保育の国の制度の拡充、⑥省令基準の改善と拡充、⑦放課後児童支援員のキャリアアップ・処遇改善等について要請した。

 

とりわけ、3歳児の職員配置基準について、前原副議長は「日本の配置基準は世界的にみると、一人の保育士がケアする子どもの人数が著しく多い。保育士の配置基準は、子どもの権利保障だ。保育士を集めるのであれば、保育士の処遇改善、業務軽減、魅力向上を一体となって取り組まねばならない」と述べ、保育士の人員不足解消に向け、国の一層の取り組み強化を求めた。

 

門﨑局長が、「地方交付税で措置されているとは言え、調査結果を見ると、多くの自治体で15:1になっていない現状には、国の基準が20:1のままであることが根底にあることは明らかだ。子どもたちのためにも、最低基準の改善に取り組んでいただきたい」と訴え、要請を終了した。