PSI-JCユースネットワークは、2020年2月~10月にかけて、男性の育児参画状況を把握するため、各加盟組合の組合員を対象にアンケートを実施した。ヘルスケア労協を除くJC加盟組合は、ユースのみを対象にアンケートを行い、性別を問わず4,498人からの回答をもとに結果の概要をまとめた。このアンケート調査には自治労からも青年部を中心に協力し、464人からの回答を提出している。

 

 

 

 

 

「取得したい」「取得したいけれどできない」を合わせると87.6%

 

初めに、男性を対象に「育休を取得したいか」との設問に対しては、「取得したい」が61.4%、「取得したいけどできない」が26.2%で両方を合わせると全体の87.6%の人が取得したいと思っていることがわかった。育児に積極的に関わりたい、パートナーである母親の負担を考慮したいという意見が多くあり、育児参加への前向きな姿勢が多くあった。

 

 

次に、女性を対象に「男性に育休を取得してほしいか」との設問に対しては、 「取得してほしい」という回答は全体の88.6%で、ほとんどの人は取得してほしいと考えていることがわかった。「初めての育児などで負担が大きいから」「両親が遠方で助けを得られないからどうしてもパートナーである父親の協力が必要」という切実な意見が多くある一方で、「収入が減ることで経済面が不安」という声が上がっていた。

 

 

職場の同僚は、97%が育休を取得して欲しいと思っている

 

「同僚の男性が育休を取得したい場合」についての設問では、全体の97%が、「取得してほしい」と回答した。取得することに対して、「周囲の理解が得られるか不安」という意見があったが、この結果をみると、取得する本人以上に周りの理解が進んでいると言える。コメントとして、「家庭を優先すべき」「取りやすい環境をつくるためにも、積極的に取得してほしい」など、肯定的な意見が多く見られ、社会全体で子どもを育てていくべき、という考え方が若い世代を中心に広がっているように思われる。

 

 

取得に対して前向きな意見が多いにもかかわらず、取得率が上がらない主な理由として5点があげられている。
①育休を取得することにより、同僚の負担になると考えるため。
②周囲の理解が得られるか不安だから。
③収入が減るから。
④有給休暇で対応すればいい。
⑤周りに迷惑をかけてまで取得しようとは思わないから。
背景として、人員不足、業務量の多さや有給休暇も取れないなど、職場に余裕のない現状が垣間見える。

 

 

アンケート結果から、男性の育休取得の課題として、次の点が示された。
①育休が取得できる人員配置や代替職員の補充。
②育休を取りやすい職場の環境づくり。
③育休取得による家計への影響を具体的にシミュレーションする。
④勤務体制や業務内容の見直し・改善。
⑤取得のメリットを実感する。

 

最後に労働組合としてできることとして、育休制度について理解する機会やツールを提供すること、育児休業給付金の計算方法や、実際に取得した人の経験談を聴くなど、学習会を通して学ぶ機会をつくることが示されている。
職場で何が妨げとなっているのか、組合員の声を聴くことが非常に重要で、その声をもとに課題を整理し、交渉の要求に活かすなど、取得しやすい環境づくりをめざしていくと提案されている。

 

PSI-JCは、今回のアンケート調査の結果を踏まえ、来年の「3.8国際女性デー」に政府・政党に対して要請行動を行う予定。

 

 

 

※PSI-JC
Public Services International Japan Council(国際公務労連加盟組合日本協議会)の略称。
PSI(国際公務労連)はスイス・ジュネーブに本部を置く国際的な公共サービス部門労働者の労働組合の連合組織である。日本からは全日本自治団体労働組合(自治労)、国公関連労働組合連合会(国公連合)、全日本水道労働組合(全水道)、保健医療福祉労働組合協議会(ヘルスケア労協)、全国消防職員協議会(全消協)の5組織が加盟し、PSI-JCを構成している。
すべての人が尊重され尊厳のある世界を実現するため、質の高い公共サービスの提供や公正なグローバル経済の確立、人権などのさまざまな課題に取り組んでいる。