副首都法および大都市法改正の成立にあたっての談話(2026年7月28日)

ホーム > ニュース > 自治労全般 >

副首都法および大都市法改正の成立にあたっての談話(2026年7月28日)

2026/07/28

7月22日、参議院本会議で国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策に関する法律案(「副首都法」)が可決、成立したため、書記長談話を発出しましたので掲載します。(最下段よりWordファイルをダウンロードできます)

副首都法および大都市法改正の成立にあたっての談話

1.  7月22日参議院本会議で、国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案(以下「副首都法」という)が可決、成立した。自民・維新両党の2025年10月の連立政権合意書に基づき、自民党が志向する国土強靭化から由来する東京圏のバックアップ機能の整備と、維新が志向する多極分散型経済圏の形成と、異なる目的を合成した法律であるが、8日間の国会会期の延長による異例の事態のもとで行われた採決で、わずか2票差での成立は、この法律の問題の根深さを示している。
 
2.  最大の問題は、副首都法の附則第7条に、大都市地域における特別区の設置に関する法律(以下「大都市法」という)の改正案を盛り込んだことである。大都市法の改正は、副首都の指定をうけ、特別区を包括する道府県の名称を「都」に名称変更する際の手続きを新たに追加したものだが、名称変更は、現行の地方自治法の枠内で対応でき、大都市法改正の法的必然性は存在しない。それにも拘わらず、副首都法と大都市法を関連づける理由は、副首都指定と大都市廃止と特別区設置を一体にすることで、「大阪都構想」が必須との印象を与えるためであり、この附則に維新の意図が明確に表れている。
 
3.  自治労は国会審議において、大阪府本部や自治総研などと連携しながら、組織内議員や協力議員等を通じ、副首都法及び与党提出の大都市法の廃案をめざし、問題を質した。副首都指定にあたっての客観的な指定基準が存在せず、不透明であること、今後、指定をうける「副首都」と「首都中枢機能代替地域」の整備に莫大なコストがかかり、特定拠点の利益誘導が懸念されること、政府による副首都機能にかかる基本方針策定前であっても「副首都」の指定が可能となること、さらには、指定基準や整備に必要な財政規模や財源が不明確にも拘わらず、副首都等の整備にかかる基本方針の策定スケジュールだけが、具体的であることなど、多くの欠陥が明らかにされている。
 
4.  一方、問題の多い国会審議の中にあって、「副首都指定にあたって、特別区の設置は必須、絶対条件ではない」との答弁を引き出し、副首都指定の条件から、「大阪都構想」を分離させたことは、最低限の歯止めとして確認できる。また、国会附帯決議において、①副首都の指定は、特定の道府県の指定を前提にしたものではなく、同時被災リスクに備え、複数の道府県の指定を前提とする制度設計とすること、②副首都指定にあたっては、恣意性を排除するため、客観的な基準を明確にすること、③副首都等の整備にかかる財政規模と財源を明確にしたうえで、他の地方自治体の財源に影響を及ぼさないようにすることなど、野党案を丸のみさせたことは、取り組みの成果と評価できる。副首都の指定にあたって、大阪の他、愛知、福岡なども意欲を示しており、政府・与党によって、恣意的な指定が行われることがないように監視が必要である。
 
5.  大阪府の吉村知事は、副首都法成立後の談話で、大阪府知事選をはじめとする統一自治体選と「大阪都構想」の住民投票の同日実施に意欲を示しており、この通りになれば、公職選挙法の規定に基づき、大阪知事選の期間中に「大阪都構想」に反対する政治活動が制限され、住民投票運動が制約を受ける恐れがある。市民が帰属する地方自治体のあり方を問う重要な意思決定にも拘わらず、住民投票運動に制約を加えることは、断じて容認できない。法案提案者からの答弁、また、附帯決議において、住民投票期間と統一地方選の「選挙期間とが重複しないように最大限調整する」との文言は確認されたものの、同日実施に踏み切れば、国会軽視の暴挙であり、引き続き、維新の動向を警戒しなければならない。
 
6.  副首都法の成立を受け、次の焦点は、「大阪都構想」の賛否を問う住民投票に移る。すでに、維新が多数を占める大阪府議会、市議会は、特別区設置の法定協議会を設置し、「大阪都構想」の議論に着手している。しかし、「大阪都構想」の本質は、住民に身近な大阪市を廃止し、自治権の大幅な制約を受ける特別区に置き換えるものであり、基礎自治体優先の基本理念に逆行するものである。「大阪都構想」による特別区への変更で、大阪市は課税権の喪失のみならず、政令市特有の財政インセンティブを全て失うこととなり、市民へのサービス提供に重大な影響が懸念される。
 
7.  維新による目論見が実現すれば、大阪府、大阪市のみならず、地方自治に悪影響を及ぼすものであり、副首都指定の宣伝に「大阪都構想」を利用することがないように監視を強めなければならない。引き続く、住民投票に備え、大阪府本部、自治総研と連携をはかり、「大阪都構想」の不合理性を明らかにしつつ、自治労内外に問題点の浸透をはかるとともに、「大阪都構想」阻止にむけて自治労全体で全力で取り組むこととする。
 
2026年7月28日
全日本自治団体労働組合
書記長 伊藤 功


副首都法および大都市法改正の成立にあたっての談話.docxをダウンロード

関連記事

  • 立憲民主党 参議院議員 岸まきこ
  • 参議院議員 えさきたかし
  • 自治労共済生協
  • 株式会社 自治労サービス
  • ろうきん

ページトップへ