2026/07/17
自治労社会福祉評議会は7月4~5日、東京で第46回全国保育集会を開催し、45県本部588人が参加した。初日は分科会、2日目は全体集会を行い、全国の仲間が保育を取り巻く課題や各職場の取り組みを共有した。
全体集会では、東洋大学名誉教授の森田明美さんが「子どもの権利を保育の土台に~一人ひとりの成長を、どのように見守り、関わっていくか~」と題して講演した。森田教授は、「子どもは乳幼児期から権利の主体であり、自己肯定感や協調性といった非認知能力を育てるためにも、言葉だけでなく、しぐさや表情などから子どもの思いや願いを受け止めることが重要」「見守りといっても単にそばで見ているだけではなく、介入するのか、一緒に行うのか、補助するのかなど、その場に応じた関わり方を大人が判断する必要がある」「子どもの声を聴き、見守り、待つことを通じて、大人主導の保育から『子ども主体の保育』へ転換していくことが必要だ」と、「子どもの人権」を尊重した上での、これからの時代の保育について具体例を交えながら提起を行った。
分科会は、「保育士の働き方」「保護者対応」「子どもの権利」「児童館・放課後児童クラブ(学童保育)」「保育現業」の5つのテーマで実施した。
第1分科会「保育士の働き方」
自治労本部総合組織局の北川啓子さんが講師を務め、休憩や休暇、労働時間など、誰もが直面し得る職場の「ローカルルール」と向き合い、改善するための具体策を考えた。また、自治労組織内の鬼木まこと参議院議員が分科会に終日参加し、保育職場の現状や課題について各グループからあがった声を聞き取った。鬼木議員は「各グループを回って聞かせていただいた現場の声を国政に届け、予算要求や制度改善につなげていくことが重要だ。引き続き、同じく組織内の岸まきこ参議院議員とともに、職場の労働環境改善につながる制度・政策の実現に尽力する」と強く訴えた。
第2分科会「保護者対応」
合同会社ウメハナチャイルドケアコミュニケーションズ代表の松原美里さんを講師に迎え、「家庭支援コミュニケーション~子育てを楽しむパートナーであるために~」と題した講演・ワークショップを実施。保護者との信頼関係を構築するための伝え方や聴き方、家庭支援のあり方を学んだ。
第3分科会「子どもの権利」
今回は第3分科会のみ、ウェブ併用のハイブリッド形式で開催した。公益社団法人子ども情報研究センター共同代表の田中文子さんを講師に迎え、不適切保育などの話題を耳にすることも多い中で、「子どもとどう関わったらいいか?」を改めて考える機会として、「子どもの主体性を尊重する保育」について講演を受けた。その後、対面・ウェブを問わず全体で意見交換を行い、参加者それぞれが現場で抱える悩みや実践を共有した。
第4分科会「児童館・放課後児童クラブ(学童保育)」
児童館や放課後児童クラブで働く組合員を対象に実施した。早稲田大学社会的養育研究所招聘研究員の白田好彦さんの講演を受け、「こどもまんなか」の居場所づくりや子どもとの関わり、職員の処遇改善などについて、グループで意見を交わした。
第5分科会「保育現業」
自治労本部の西岡泰輔現業局長、貫名透保育部会幹事から、現業職場の新規採用状況や全国情勢が提起された。その後、グループワークを通じて、安易な民営化や外部委託が推し進められている現状もある中、公務直営の調理職場として「公に求められていること」や「調理員が児童にできること」を考え、意見交換を行った。同職種の組合員が一堂に会し、これからの保育現業のあり方を考える機会となった。
全体集会・各分科会を通して、参加者は、それぞれの職場から持ち寄られた実践例や工夫に触れ、明日から取り組めるヒントや新たな視点を得た。各地の仲間との交流を力に、安心して働き続けられる職場づくりにむけて、さらなる次の一歩へつなげていけるような集会となった。







