生活保護の追加給付事務に関わる予算措置等を厚労省に要請

ホーム > ニュース > 評議会運動 > 社会福祉評議会 >

生活保護の追加給付事務に関わる予算措置等を厚労省に要請

2026/01/16

厚生労働省 社会・援護局保護課・竹内尚也課長(写真左)と、自治労本部・森下元 総合政治政策局長、神成和江 社会福祉局長(写真右)
 自治労社会福祉評議会は1月15日、厚生労働省に対し、「2013年生活扶助基準改定に係る最高裁判決への対応に関する緊急要請」を行った。これは、2025年12月19日に、厚生労働省が「最高裁判決を踏まえた対応に関する自治体担当者向け説明会」を行い、支給事務の基本的な枠組み、スケジュールが示されたことに伴い、行ったものだ。
 自治労は、生活保護受給者の尊厳ある生活を守る立場と、住民福祉を担う自治体職員の労働条件および専門性を守る立場の双方から、国に対し、①追加給付に係る事務経費について全額を国費で措置すること、②自治体の実情を踏まえた支給事務マニュアルの見直しと十分な準備期間を確保することを強く要請した。

緊急要請の背景

 2025年6月27日、最高裁判所は、2013年に行われた生活扶助基準の引き下げについて、厚生労働大臣の判断が裁量権の範囲を逸脱・濫用したものであり、違法であるとの判決を言い渡した。本判決は、生活保護制度が憲法第25条に基づき、国の責務として最低限度の生活を実質的に保障すべき制度であることを、改めて明確にしたものである。
 
 こうした中、厚生労働省が当該改定により影響を受けた生活保護受給者に対し、保護費の追加給付を行う方針を示したことは、判決の趣旨を踏まえた重要な対応であり、一定の評価ができる。
 
 一方で、追加給付の実施にあたっては、対象者の特定、給付額の算定、通知・相談対応、生活保護システムの改修など、広範な事務が自治体現場に集中することが想定される。生活扶助基準の改定には自治体の裁量の余地はなく、本来、財源の確保を含め、国の責任において対応されるべきものである。人員不足が深刻な自治体職場において、十分な支援や財政措置が講じられないまま新たな事務負担が生じれば、制度の円滑な実施や受給者への丁寧な対応に支障をきたすおそれがある。
 
 また、今回の対応は、過去の誤った政策判断を事後的に是正するものであり、今後、同様の事態を二度と繰り返さないための検証と再発防止策が不可欠である。生活扶助基準の改定にあたっては、憲法第25条の理念に基づき、科学的・専門的知見および生活実態に即した、慎重かつ透明な意思決定の仕組みを確立する必要がある。

関連記事

  • 立憲民主党 参議院議員 岸まきこ
  • 参議院議員 えさきたかし
  • 自治労共済生協
  • 株式会社 自治労サービス
  • ろうきん

ページトップへ