1. 人事院は8月7日、本年の官民較差に基づき、月例給15,056円(3.51%)、一時金を0.05月(期末0.025月・勤勉0.025月、再任用職員含む)引き上げる勧告を行った。俸給表については、大卒および高卒の初任給をそれぞれ9,500円引き上げるとともに、中高年層にも配慮しすべての級・号俸で3%以上の改定が行われた。5年連続で月例給、一時金が引き上げられたこと、2年連続で月例給の改定率が3%を超えたことは、2026春闘における民間組合、特に中堅・中小組合の懸命な交渉の成果を反映したものであり、組合員の期待に一定応えた内容といえる。
2. 2026人勧期闘争にあたり、自治労・公務員連絡会は、物価高騰が続く中、災害対応を含めさまざまな行政課題に日々奮闘する組合員の努力に応える、「全職員の賃金引上げと処遇改善」を求めて団体署名・職場決議行動に取り組んだ。最終的に4,253件の団体署名、8,727件の職場決議(うち自治労3,270件、3,490件)を集約し、組合員の声を背景に粘り強く交渉を進めてきた。
3. 昨年に引き続く全世代での月例給の引き上げについては、この間強く要求してきた内容であり、一定評価はできる。しかし、物価の上昇率が前年同月比+3%近い数値で推移していることから、「真に生活改善につながる賃上げ」を引き続き求めていく必要がある。
また、再任用職員の月例給について、民間におけるフルタイム勤務再雇用者の水準に合わせ平均8.5%引き上げたことは評価したい。これまでの取り組みの大いなる成果である。しかしその一方で一時金の支給月数に関して、人事院は従来の考え方を変えなかったことから、「60歳前後の給与カーブのあり方」とともに、早期の見直しを強く求めていく必要がある。
4. 転勤に伴う経済的な負担の軽減をはかるため、新たに転居に関する手当が創設されることとなった。これは単身赴任者以外にも支給されることとなり、転勤にかかる負担軽減の観点から一定評価できるものである。来年以降も転勤関連手当の再編や統合が行われる見込みであることから、引き続き公務員連絡会と連携し意見反映を行っていく。
5. 本府省幹部職員等を対象とする人事制度見直しの骨格について、本府省幹部職員等を対象とした給与体系の変更、勤務時間にとらわれない働き方等が示された。
まず給与体系の変更については、本府省幹部職員等に限定されているが、来年の報告にむけ、地方公務員への影響も含め動向に注視し、公務員連絡会と連携し意見反映を行っていく。
また、勤務時間にとらわれない働き方についても、本府省幹部職員等に限定されるが、拡大されることのないよう今後も注視していく必要がある。
6. 「職員の勤務時間及び休暇の改定に関する勧告」では、取得理由を問わない「無給休暇」の新設、代休日の指定等の見直しが勧告された。これらは、職員のさまざまなニーズに対応できるものとして一定理解はできる。しかし人員の不足が大きな問題となっていることを考えれば、ただ制度を導入するだけでなく取得可能となるよう環境の整備が必要である。
7. 今後は、勧告の取り扱いが焦点となる。秋の臨時国会にむけて政治情勢は不透明であるが、本部は、政府に対し早期の給与法閣議決定を求めるとともに、各自治体における労使交渉を尊重し、国が不当な介入を行うことのないよう、総務省・国会対策を強化する。
県・政令市等においては、人事委員会対策を強化し、賃金水準の十分な引き上げと公民較差の月例給・手当への適切な配分を求めていく。あわせて、県本部は市町村課交渉を行い、県内自治体の労使自治の尊重を確認するとともに、不当な介入を行わないよう求め、統一闘争をけん引していく必要がある。
給与改定の時期について、総務省は「地域の実情を踏まえて適切に判断すること」と示していることから、単組は、国における給与法の改正を待つことなく、早期の労使自主決着、会計年度任用職員を含むすべての職員の遡及改定と年内差額支給を実現しなければならない。
近年頻発する災害による財政需要の増加や公立病院の厳しい経営状況等を理由に、人勧完全実施を明言しない当局姿勢も想定される。しかし、組合員の生活改善と人材確保・定着はもちろん、地域経済の活性化、さらには地方税収の充実をはかるうえでも、賃上げは必要不可欠である。すべての自治体単組、公共民間単組で人勧完全実施と単組独自の賃金改善を実現するため、自治労は2026賃金確定闘争を全力で推進する。
2026年8月7日
全日本自治団体労働組合